授業で課された課題にどう答えればいいのかが分からないという学習者に対し、授業の到達目標に意識を向けるように促すことは対応の手がかりになりうると思われる。
たとえば、ある学習者は「メディア」をテーマにする授業を履修しており、その授業であるビデオを見た後質問に答えるというような作文の課題があった。最初は言いたいことが文としてうまく表現できない、という書くことの問題だと思っていた。しかし話し合ってみたら、授業のキーワードである「メディア・リテラシー」の意味が分からないということを判明した。そのため、質問の意図が理解できず、うまく表現できないということになった。そこで一緒にシラバスを調べ、授業の到達目標や参考文献などを確認した。さらに、「メディア・リテラシー」の意味を理解するため、学内の図書館や読書室を紹介し、そこで授業の参考文献を調べて読んでみることを勧めた。
このように、授業に関する課題を持ってきた学習者に対し、当該授業の到達目標を常に念頭に置きながら目の前の課題に一緒に取り組むことが大事ではないかと思われる。